捨てられたものに命が宿る
以前勤めていた職場では、週に一度、専門の方が花を生けに来られていました。
職場の入口には、子どもがすっぽり入るくらいの大きな壺があって、そこには季節ごとに大きな枝ものが生けられ、外に出ずとも四季を感じることができました。
チョキチョキ切られた枝は、あっけなくポイポイとゴミ袋に投げ込まれ、あっという間にいっぱいになったゴミ袋が二つ、三つと増えていきます。
それは、生けたものより、捨てる方が多いようでした。
職場にも慣れ、花を生ける方とも言葉を交わすようになった頃、
ある日、勇気を出して、
「それ、捨てるんだったら戴いていいですか?」
と、聞いてみました。
すると、
「いいわよーどうせ捨てるんだから」
と、快く分けてくださいました。
もう10年も前のことです。
あの時ゴミ袋に捨てられた枝は、
今でもこうして我が家で生き続けています。
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