重陽の節句
「九月九日は、暁方より雨すこし降りて、菊の露もこちたく、おほひたる綿なども、いたく濡れ、うつしの香ももてはやされたる」
(枕草子)
これは菊の着綿のことで、重陽の節句の前夜にまだ蕾の菊に真綿をかぶせ、翌朝、宮中の女官たちがその菊の香りと夜露がしみこんだ真綿で体を清めるという習いを清少納言が綴ったものです。
中国の陰陽説では、奇数を陽の数、偶数を陰の数とし、最大の陽の数である九が重なる九月九日は「重陽」で陽の極まるめでたい日とされていました。
菊が不老長寿の薬として栽培されていた中国では、重陽の日に菊の香りを移した菊酒を飲んで長命を願う風習がありました。
やがてこの風習が日本に伝わり、平安時代には宮中の行事となり、皇族や貴族がこの日に集まって菊を愛でながら歌を詠んだり、菊酒を飲んだりして長寿を願ったそうです。
現代のように医学が発達していない時代、古の人々はその思いを神に願うことで心の平穏を保っていたのではないかと思います。
どうか被災地の方々の暮らしに一日でも早く平穏が訪れますように。
菜箸3つ、へら3つ
菜箸はこの3つだけ。
右から揚げ物用、盛り付け用、炒め物用です。
すべて京都の市原平兵衛商店のもので、もうかれこれ10年以上使っています。
この箸に出会うまでは適当なものをたくさん持っていましたが、今はこの3つだけ。
これからもこれ以上増えることはないでしょう。
市原平兵衛商店は江戸時代から続く宮廷御用達の老舗。
長きに渡り愛されてきた理由は、実際に使ってみると納得できます。
無駄のないシンプルなかたちで使いやすく、そのうえ丈夫。
特に盛り付け箸は、まるで自分がプロの料理人になったような気にさせてくれるほど、美しく盛り付けることができます。
箸なんてどれも同じと思っていましたが、やっぱりいい道具があると何より気分が上がります。
そして、へらもこの3つ。
木べらは炒め物用とお菓子用に分けています。
炒め物用はオリーブの木で作られていてとても丈夫。
料理に使う油はほとんどがオリーブオイルなので、同じ素材というところも何となく味が落ち着く気がします。
昔はよく和菓子を作っていました。お菓子用のへらは通っていた和菓子教室の先生のおすすめのもので、このへらで練り切りを作るととても滑らかできれいに仕上がります。
まさに上生菓子。
今は和菓子専用の道具は断捨離してしまったので、和菓子を作ることはほとんどなくなり、ジャム作り専用になっています。
毎日繰り返される家事。
おざなりにならないよう、道具の力を借りて気分を上げています。
ごはんをいただくお箸も市原平兵衛商店のもの。
ゴマ一粒でも楽々つかめちゃいます。
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家だからきちんと。
昨日の続き、、、
例えば休みの日。
今日は一日出かけないと決める。
いつものように早起きをして、ラジオ体操が終わったら身なりを整える。
きちんと化粧をし、髪を整え、
鏡の中の自分に笑顔で「おはよう」と声をかける。
そして、今日の自分に一番ふさわしいファッションを選ぶ。
深く考え、深く見つめて。
今日はきちんと。
だから着物にしよう。
9月は単衣。外で着るのはまだ暑いけど、家の中なら快適だ。
博多帯をキリッと締めて。
真白い足袋を履けば、気持ちもきちんと。
着物を着ると背筋がスッと伸び、自然と所作も美しくなる。
着物にはそんな不思議な力があるように思う。
今日はいつものコーヒーではなく、抹茶を点てよう。
家だからきちんと。
今は特別なことだけど、続けていけばきっと特別から普通のことに変わる日が来ると思う。
そうなったとき、「バー・ラジオ」の扉が開けられるんじゃないかな。
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ものを見る眼差しの養い方
洗練された一流の大人だけが通うことを許される「バー・ラジオ」。
店主の尾崎浩司さんは徳島の花柳界に育ち、16歳の頃から華道や茶道を習っていたそう。
16歳にして(しかも男子‼︎)、自らの意思で日本の伝統文化に触れたいと思うところからして類稀なる存在ですね。
私の16歳といえば、、、
思い出したくもありません^^;
その生け花や茶の湯で修めた所作や美意識に基づき、バーテンダーとして独自のスタイルを完成されました。
そんな尾崎さんを憧れの人と敬う松浦弥太郎さんが、京都に居を構えた尾崎さんを訪ねて対談された様子が『ブルータス』に特集されていました。
松浦さんの「ものを見る眼差しの養い方とは」という質問に尾崎さんは、
「大事なことは結局、自分自身を磨き上げること。美しい自分になろうとする気持ちだと思うんです。まず自分自身を成長させなさい。そうしたら自然に美しいものがわかるようになります」
そして、その手始めとしてファッションが重要だとされ、
「今日何を着るか、考える時間をとる。手当たり次第で外に出てはダメです。外出をしない日も、その日一日の自分にふさわしいファッションを考えて選ぶ。深く考え、深くみつめるということがいかに大事か」
(ブルータス784号より抜粋)
うーん、耳が痛い。
手当たり次第で着ています。私。。。
全くもって深く考えてません。
どんなに部屋をきれいにしてみても、どんなにオシャレなファッションに身を包んでみても、そこに美しい自分になろうという強い気持ちがなければ、それはきっと表面的な美しさでしかないのでしょう。
つまり、ニセモノ。
年を重ねるほど内面が滲み出てくるといいます。
これからは内面に磨きをかけて、いつか「バー・ラジオ」の扉を開けられるような洗練された大人になることを目指して自分自身を磨いていきたいと思います。
「私の流儀は全て茶道に源をなしている」という尾崎さん。
私も同じ茶道を修める身として強く共感するものの、実生活に活かしきれてないところが凡人たる所以(泣)
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秋の味覚
新潟から届いた茶豆。
枝豆というと夏のイメージですが、一番おいしいのは今の時季。
新潟の枝豆の味を知ってからというもの、スーパーに売っている枝豆は買わなくなりました。
茶豆はその名の通り色は少し悪いですが、その味たるや‼︎
甘くて濃厚。
一度食べ始めると止まらなくなり、あっという間にサヤの高い山が出来上がります。
でも、枝豆は栄養価が高いうえに低カロリーなので、食べ過ぎても罪悪感がありません。
しかも、若返り効果もあり‼︎
大量に届いた茶豆ですが、すぐに食べきってしまいそうです。
秋はおいしいものがたくさん。
楽しみだけど、危険な季節です(笑)
枝豆ごはんもおいしい。
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箱いろいろ
お菓子のおいしさと箱のデザインはきっと関連していると思います‼︎
箱欲しさに買ったお菓子の数々、、、
いわゆる「ジャケ買い」というヤツですが、どれも外れがありません。
おいしくいただいた後は、いろいろなものを入れて再利用しています。
左から 虎屋の羊羹の箱は新札入れに。
金平糖が入っていた桐の箱はお香とマッチを入れて。
赤い箱はメゾンドショコラのバレンタインシリーズ。切手を入れています。
ピエールマルコリーニの黒い箱は、古帛紗入れに。
ラドュレの黒猫の箱には、
いざという時のために懐中電灯とラジオを入れて枕元に置いています。
こうした箱たちは小物入れとして使うだけではなく、壁にかけてアートとして鑑賞することもあります。
なかしましほさんのお店「フードムード」のクッキーボックスはご主人の中島基文さんのデザイン。
色もデザインも大好きです。
もちろん、中のクッキーもとってもおいしくて大好き‼︎
壁に掛けるときは、内箱を重ねると歪みが少なくなります。
おいしいの後にある楽しみ。
これからもお菓子のジャケ買いは続きます。
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